コミューとソータとよーすけぴっぴ

こんばんは、一対一の会話だと全然そんなことないのに、多人数でワイワイやるタイプの会話はどうも苦手なよーすけぴっぴだよ。これは一体なんでなんかなーと思ってたのだけど、最近ある本を読んでいて「あーこれが関係してるんかな」と思うものを見つけたので、今日はそれを書いてみよう。

「アンドロイドは人間になれるか」/石黒浩

著者は大阪大学の教授で世界的なロボット・アンドロイド研究の第一人者。自分そっくりのロボット「ジェミノイド」や、マツコロイドを作った人、と言うと知っている人も多いかもしれない。この本の中に、人とコミュニケーションをとることを目的としたロボットとして「コミューとソータ」が登場する。彼らは可愛くデフォルメされた人型で、上半身のみの卓上サイズのロボット。カメラとマイクとスピーカーが搭載されていて、人の言葉を認識したり会話をしたりする。興味がある人はHPを見て欲しい。

(開発者向けに販売もされてる。高いけど。)

で、このロボット達がデモンストレーションの一環で人と会話をするんだけど、なんとこのロボット達、人間の言葉を理解しないまま会話している(ときもある)。具体的には以下のような会話。

ロボA「こんにちは」
ロボB「こんにちは」
人間「こんにちは」
ロボA「僕の名前はロボA。」
ロボB「僕の名前はロボB。キミの名前は?」
人間「よーすけぴっぴです。」
ロボA「今日はよろしくね!」
ロボB「今までにロボットとお喋りしたことはある?」
人間「ないですねー。」
ロボA「そっか。緊張してる?」
人間「少ししてる。」
ロボB「僕達、全然怖くないからね。」
ロボA「人間とお喋りできて楽しいな!」
ロボB「楽しいね!」

こんな感じで、基本的にはロボットが人間に質問する形で会話への参加を促し、人間の答えに関係なくロボットはとりあえず相槌を打って次の話題に進めていく。ロボットは予めプログラムされた通りに喋っているだけなのに、人間は「会話に参加した気分になる」という仕組み。これは自然な会話を行うための科学技術が足りない現状で、どうすれば少しでも人間に「きちんと会話できている」と思わせる(錯覚)させるかを研究した成果らしい。

で、ここからが本題。どうしてよーすけぴっぴは飲み会で「テーブルの隅っこでハイボールちびちび飲むマン」に変身するのか問題。さっきのロボット達との会話は「自分が話す内容は関係ない」というのがミソだったわけだけど、これって複数人、しかも人数が多くなればなるほど起こりうる話だよね。極端な話、人数が多ければ自分が喋らなくても問題ないというか。自分が入れない(入りたくない)会話をできるだけ気配を消して聞いてた経験、みんなも一度はあるんじゃないかな。

でも一対一だとそうはいかない。「あなた」と「わたし」しかいない状況じゃ気配は消せない。多分このへんの「自分が会話しなくても大丈夫かどうか」が大事なんだと思う。要するにちゃんと話を聞いて欲しい、かまってちゃんということか。

 

…なんというか非常に残念な結論にたどり着いてしまった。「テーブルの隅っこでハイボールちびちび飲むマン」は「テーブルの隅っこでハイボールちびちび飲むかまってちゃん」に進化してしまった。ちゃんちゃん。